IoTで何が変わる?

IT業界からまた新しい流行語が発信されて、世間の話題になっています。それは「IoT」といわれる新語です。「IoT」は「インターネット・オブ・シングス」の略で、「物のインターネット」と訳されています。いろいろな物をインターネットに接続することで、役に立つ新たなサービスのしくみを作ることを言います。これからは、「IoT」を使って、画期的なサービスが生まれることが期待されています。 「物のインターネット」といわれてもピンと来ない和訳ですが、いくつか事例を考えれば次々にアイデアが生まれてくるので、イノベーションの源泉ともなりそうな言葉です。例えば、鉄道の各車両にセンサーが設置されてインターネットに情報が送られると、駅で待つ乗客は空いている車両をスマホでチェックして、空席のある列車の前で待つ、などのサービスが生まれそうです。車で出かける際にはカーナビにセットされた目的地近くになると、その時に空車のある駐車場へ自動的に誘導してくれるようなサービスも考えられます。ショッピングセンターやレストランに行くと、店内のセンサーが皆様のスマホから情報を読み取り(許可に設定されている場合)、自分好みの品物やメニューを案内したり、自分が興味を持つものだけを表示したりする、サイン広告なども可能になります。しかし、こうなると自分がどこでどのような行動をしているか、いつも誰かに見られているようで窮屈な思いをする場合も生じるかもしれません。このような違和感を人々に与えることなく、日々の暮らしを便利にする工夫も「IoT」には求められます。 現代はインターネットからさまざまな情報を得ることで、生活が大変便利になりました。しかしそれらの情報は過去に誰かが入力したものであり、リアルタイムの情報をインターネットから得ることはまだ難しい状況です。これが、いろいろな物がインターネットにつながる「IoT」になると、センサーが読み取ったリアルタイムの情報を得ることが出来るので、情報の活用方法が一歩進んだものになります。 これからの社会で「IoT」をどのように活かすのか、大変興味深いテーマが生まれてきました。しかし、これを利用してビジネスの新展開を考えるのは、なかなかハードルが高そうです。ちなみに、経産省は今年の「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」において、「IoT」を活用した画期的な生産性向上の取り組みには、最高で3000万円を補助するという、新しいしくみが盛り込まれました。これにはどのようなアイデアで挑戦すべきか、知恵を絞るのが一苦労のテーマです。